鍼をどうやって体に入れるのか?

鍼灸と縁のない人は、どんな印象を持っておられるでしょうか。予防注射のような、縫い物をしていて間違って指を指したような、ぐっとこらえるイメージかな?

日本で発展した「管鍼法」では、細い筒(鍼管といいます)の中に鍼を入れ肌に軽く押しつけ、鍼が皮膚の中に入る(このことを切皮=せっぴ=といいます)ときの痛みをより軽くします。お世話になっている鍼灸院の先生は、この方法。この鍼灸院で使う鍼は髪の毛程度の直径で、柔らかくしなります。

中国鍼では、一般に鍼管を使いません。「捻鍼法」といいます。片方の手で肌を押さえて張り、素早く鍼を入れます。素早く切皮することで、不快な痛みが避けられます。お世話になっている病院のドクターお二人は、この方法。

管鍼法でも捻鍼法でも、施術者の治療法、考え方によって、鍼の太さ、鍼の深さはそれぞれです。私の見てきた限りでは、管鍼法のほうが細め、捻鍼法のほうがそれよりは太めのように思います。

どちらにせよ、きちんとトレーニングした施術者であれば、予防注射のような痛みを患者さんに与えることはない(はず)です。全く無痛を目指す先生もいれば、しびれるような重くなるような感じ(不快ではない。得気、ひびきなどということもある)を患者さんに感じてもらうことを目標に治療する先生もいますが、鍼灸を受けて、不快な痛さを感じたら「痛い」って言ってくださいね。施術者にとっては大事な勉強になります。痛くて当たり前、ではないと私は考えています。