医説紅楼より 

やっと終わり。いわゆる高麗人参、禁忌になる人もいるというのは初めて知った。

それにしても、紅楼夢の話は最初の方だけで、あとはこんなのばかり。専門用語が正しく訳せていないと思いますが、ご高配ください。

(前回より続く)人参を加工する時に切り落とす根も参須といい、効き目はやや劣るが、よく人参茶用になる。人参は水で煎じても、湯煎しても、粉末にして湯に溶いても、酒で飲んでも,また小さく切って口に含んでもよい。一般に空腹時、或いは食前に服用するのがよいとされている。
 現代科学技術では人参について比較的多くの研究があり,入参には人参サポニン、揮発油、参醇、人参酸、植物肖醇、胆?、各種糖類、ビタミン、ペクチンなどが含まれていることがわかっている。人参は大脳皮質の興奮過程と抑制過程を強め、神経活動過程の活性を改善し、脳の活動効率を上げる。スイスの学者が行った実験によると、試験前の一定の時間に学生に人参を食べさせたところ,試験の結果は特に優れていた。旧ソ連の学者が夜勤の人に人参を服用させたところ、服用しなかったものと比べてミスが大きく減少した。この種の抗疲労、知的活動を高める効果は宇宙航空事業でも用いられ、報道によると、宇宙飛行士は宇宙船の中で人参を口にしているという。
  人参には「適応原」様の作用があり、有機体が有害刺激を防御する能力を増強し、毒物の有機体への有害作用を減じ、損傷の癒合を促進する。人参は腎臓の上腺皮質に刺激作用があり,血漿の皮質ケトンレベルを上げることができる。長期使用すればラットの腎上腺の重量が増加する。人参はまた、性腺作用も促進する。雄の動物が人参を与えられた後、去勢したマウスが交尾する現象が現れた。ウサギの精子が増え、活動力が増強し、睾丸と関連部の重量が増加した。雌のマウスが人参を服用した後、交尾時間は延長し、子宮と卵巣の重さが増え,黄体ホルモンも増多した。
  人参は強心作用も備えている。実験動物の心臓収縮率を増強し、心拍数が減る。血圧にも調節作用があり、高血圧を下げ、低血圧を上げることができる。冠動脈の血流を増やし、心筋の代謝を改善し、心筋に対して一定の保護作用がある。また文献報道によれば、人参サポニンは実験動物の血液と血漿の粘度を下げ、血小板の凝集性にも及んだ。これによって、人参は高血圧病、脳出血脳梗塞、心筋栄養不良、冠状動脈硬化性心臓病(心絞痛、心筋壊死)などの心臓血管病の防止に用いることができる。また人参は糖尿病患者の一般状況を改善することができる。のどの渇き、虚弱などの症状が減弱、または消失する。軽度の糖尿病患者には尿糖を減らし、血糖を40から50?/dl下げ、薬を止めても二週間以上維持することができる。
 人参には滋養強壮などの優れた作用があるとはいえ,正しく使わなければ少なからず副作用を伴う。人参や人参製品(人参糖、人参膏、人参ローヤルゼリーなど)を長期にわたって乱用すればステロイド中毒に類似した症状を引き起こす。これを“人参溢用総合症”という。主な症状は発熱、めまい、頭痛、皮膚の発疹、胸悶、息切れ、不眠、浮腫、下痢、いらいら、不安などでっる。ひどいものでは鼻出血や胃腸、歯茎の出血、抑鬱、引きつけ、失神などが起こり、重症のものでは脳出血にいたって命に危険が及ぶ場合もある。
 児童が人参を濫用すれば、“性早熟”が現れる。女子は通常よりも早く月経が始まり、乳房が大きくなる。男子は早くひげが生え始め、陰茎が大きくなり、ひどい場合は“男子乳房発育症”となる。これは人参が性腺ホルモン様の作用があるために児童の性腺(睾丸、卵巣)が早く発育して性ホルモンを分泌するもので、児童の生理、心理的健康に不利な影響を与える。
 このように,人参とその製品を服用する場合は、医師の弁証論治と応証配薬が必ず必要で,決して自己流で用いてはならない。肝陽上亢の高血圧患者、腎不全で乏尿の者、眠れず煩躁がある実証の者、感冒で発熱している者、元々陰虚火旺のものなどは、人参を服用してはならない。