「医説紅楼」より

まだ続きます。おおざっぱな通読ですが・・・

「神農本草経」から現代薬物学の専門書まで、人参について詳細な記載と客観的な評価がある。人参の性は微温,味は甘、微苦である。また脾、肺、心経に帰す。能く大補元気し、益肺健脾、生津止渇、寧神益智;生用気涼,熟用気温;味甘補陽,微苦補陰;よく単味でも,また常に他の薬物に配して使われる。
 まず単味での使い方について述べよう。一味人参,煎じ薬とすれば,これは「独参湯」である。古医籍「本草新編」にも記載がある。歴史書の記載によれば,明朝の薊遼総督洪承畴は,1642年の春の対戦で清軍に敗れ,清兵に捉えられた。彼は数日の間食事もできず,気息奄奄としていたが,皇太極妃博爾済吉特氏が出した人参湯を一壺飲んで、たちまち元気を取り戻した。近代でもまたたびたび報道されていることだが、心原性ショックを起こしている患者で血圧が非常に低く脈が微細、四肢は氷のようで危険が迫っている者に、独参湯を飲ませたり、あるいは人参鍼を1?2本注射したところ、制止の境目から引き戻し、危険状態を切り抜けることがある。そこで独参湯は、危急の症状の際に常用されるのだ。
 このような危急の情況でなくとも,よくその他の薬物を配して使用する。提気には柴胡、升麻を加える;和中には陳皮、甘草を加える;健牌には茯苓、白朮を加え;??には遠志、棗仁を加えなければならない;止咳には薄荷、蘇葉;防痰には必ず半夏、白芥子を加え;降胃火には石膏、知母を加え;清陰寒には附子、乾姜を;敗毒には黄?、黄連、梔子を加え、下実には、大黄、枳実で助ける。これを補として使えば補、攻として使えば攻となり、臨床上の用途は非常に広い。
しかし、大多数の状況下では、仁治は補を主としている。人参はよく元気を補い、脾肺を益し、生津安神し,気血をともによく補う。気は温で不辛,そのためよく固気することができる。味は甘で純正,そのためよく補血できる。そのため、おしなべて虚の発熱、虚の自汗、虚の眩暈、虚の困倦、虚の驚惧、虚の短気、虚の遺泄、虚の瀉利……,その治療はみな人参が必要となる。
 人参は正気を鼓舞することができるため,抵抗力を強め,病状の好転に利する。だから衰弱性の病気に良好な補益作用があるだけでなく、正虚邪実の治療もできるし,邪気が未清で正気が既に衰えている症候にも使える。如与解表薬同用治療気虚感冒;与瀉下薬同用治療虚の便秘など、ともに扶正去邪の作用があるからである。人参は益気生津できるので,消渇証と熱病傷津などの証を治療できる。消渇を治すには常に黄耆と散薬を配する。熱傷気津、口渇と大汗を治すには麦冬とゴミシを用いて「生脈散」のごとくである。
 人参の種類は非常に多く,野生のものは野山参,栽培されたものは園参という。小さい野山参を田んぼに移植したり、小さい園参を山野に移植した後に生長した人参を、移山参と呼ぶ。異なる地区で産したものはまた異なる名前である。朝鮮で生長すれば朝鮮参、また別直参、高麗参という。吉林黒竜江で生長したものは吉林参である。日本産のものは東洋参、欧米のは西洋参である。東洋参の作用は吉林参より少し劣るが日本が時刻で用いる以外は我が国は普通輸入していない。西洋参の強震興奮作用は朝鮮参と吉林参と比べて劣るので、救急時には西洋参は用いない。しかし西洋参の生津止渇養陰の作用は比較的強く、伝染病の発熱期にはこれを使うのを好む医師もいる。
 加工方法も異なり、人参は紅参類、糖参類、生晒類に分ける。紅参類は紅参と辺条参で、糖参類には白人参と糖参が、生晒参類はすべての生晒参、白干参と生晒参がある。その他には、大力参、?皮参などなどがある。(続く)